講座製作者の声:食の安全があってこその健康的な生活~衛生管理講座 食品編~
2019/09/26
クロスラーニングの講座制作者である株式会社ディベロップメント代表取締役の片貝竜也先生に、これまで制作していただいた製造・物流系の講座について、1講座ずつ製作時の思いや講座のご紹介していただきます。
本号では、「衛生管理講座 食品編」についてご紹介していただきます。
食品を扱う中で最も大切な「食品の安全」
食品を扱う中で最も大切なことは何だと思いますか?
それは食品の安全です。
食品を扱うところであればどこでも食品の安全への対策がされていることでしょう。
それが出来ていないところでは安心して食品を扱ってもらうことは難しいからです。
食品が安全でない場合にはどのようなことが発生するでしょうか?
食中毒が発生してしまい、場合によっては死者が出ることもあります。
死者を出してしまう食品を出荷する会社の商品を食べたいと思うでしょうか?
もちろん食べたいとは思いません。
安全では食中毒だけでなく異物混入などもあります。
異物混入でも様々な企業が問題を起こしてしまっています。
コンビニ商品にカビが混入してしまっていた事件、カップ麺類の商品にステンレスが混入してしまっていたり、乳児用食品に樹脂が混入していたなどが発生しています。
これらの商品は全て回収となりました。
異物混入もどこで混入したのかなどはとても大切なことです。
異物混入などは本当に運が悪い場合もありますが、多くの場合、混入する隙があるため、異物混入が発生します。
異物を混入させないことの大切さを理解した上で、具体的にどのような行動をすることで異物混入を防ぐことができるかを理解しておく必要があります。
具体的な行動のあり方を知ることは大切です。
それだけでは「○○をしてはいけない」と書かれている内容と同じです。
「○○をしてはいけない」と書かれていれば、してはいけないことは分かります。
しかし、それだけでは納得しない人も多いのも現実です。
その理由は「なぜ、それをしてはいけないか分からない」からです。
「なぜ」の部分がわかると人は納得するだけでなく、他の行動にもその内容を適用させることで禁止事項を素早く理解することが可能です。
それは基本的な知識に分類されるかも知れませんが、なかなか触れることのない内容かも知れません。
この機会にこのなぜ?の基本となる情報を理解しておくとよいと思います。
「なぜ?」これをするのかを考える
今、食品工場等の食品製造に関わる仕事をしている人もいれば、そうでない人もいることでしょう。
食品に携わる仕事をする方は食品の安全を守るための衛生についての知識は持っているべき知識です。
この知識を持っていなければ作業をしている中で知らず知らずのうちに安全な食材を危険な食材に変えてしまうかも知れません。
自分の実施した作業によって食品を危険なものにしてしまっているとは考えたくはないものです。
食品製造工場では様々な工程が存在することが多いものです。
それぞれの工程で安全を守るために実施する内容があります。
例えば、最初の工程でいえば「原料の受け入れ」です。
ここでは通常受け入れ検査を行います。
受け入れ検査では外観、日付、温度などを確認します。
外観において「箱に穴が空いていた」となったとします。
これを確認せずに受け入れてしまったらどのようなことになるでしょうか?
空いている穴から何か既に混入していることも考えられます。
これを見落としてしまうと最終的な商品にも異常が出てしまう可能性があります。
同じ受け入れでも冷凍で来るはずのものが少し溶けていたとすればどうでしょうか?
輸送時に適切な温度になっていないと本来冷凍で来るべき商品が溶けてしまいます。
溶けたものを再冷凍すると品質にも問題が生じてしまいます。
このように受け入れだけでも色々なポイントを見て実施しなければいけません。
このようなポイントはそれぞれの工程に存在します。
本内容では大きく工程を分けた上で各工程におけるポイントなどを示しています。
多くの食品製造工場では実施されていることであるとは思います。
今までの単に守っていた内容とするのではなく「なぜ」これをするのか?を考えながら学習を進めていただきたいと思います。
様々な観点を持つことで今後突発的に出てくる内容にも適切に対応が出来るようになってきます。
その対応は基本を理解しているからこその対応です。
当たり前のように仕事の中でやっている様々なルールも意味があることです。
基本を理解することで定められたルールだけではなく、ひとつひとつの行動でも安全衛生を守るための原理原則に基づいて実施することが出来るようになることでしょう。
食の安全があってこその健康的な生活
「安全衛生は面倒だ」と思う人もいるかも知れません。
例えば手洗いを考えてみるととても細かく手順が決められています。
手洗い1つでもそんなに意味があるのか?と思ってしまう人もいることでしょう。
しかし、既述のように意味があるから実施している内容です。
そして、食中毒等の食品の安全が損なわれた事件等の多くは人の間違った考え方から発生してしまっています。
「手洗いはしっかりとしていないけど、今まで大丈夫だから大丈夫」と考えてしまうとどこかで事件になってしまいます。
焼肉店でユッケが問題になった事件がありました。
事件になった原因は生食用でない肉を生食用でなければいけないユッケに使用していたからです。
これも「確認不足」や「いいだろう」といった人が関連するミスが絡んでいます。
食の安全があってこそ人間は文化的で健康的な生活をすることが出来ます。
その食の安全を守るための衛生講座として少しでもお役に立てれば嬉しいです。
クロスラーニング搭載講座「衛生管理講座 食品編」
「衛生管理講座 食品編」の詳細につきましては、下記より講座詳細ページをご覧ください。
衛生管理講座 食品編の詳細はこちら
また、無料デモ体験も可能となっておりますので、こちらよりご連絡をお待ちしております。
執筆者紹介
片貝 竜也 株式会社ディベロップメント
半導体製造装置メーカーで製造に携わった後に営業として全国を担当。
研究所における新製品開発や工場での量産などに携わる。
その後人材派遣会社に転職し人材採用・教育・制度構築に従事。
株式会社ディベロップメント を設立し企業の人材の採用・教育・講演を中心に活動している。